2018年の暮れにまた小さな同窓会がありました。
私はもちろんウキウキして出かけました。
私と彼とは、私が彼の住む街へ出掛けた以外は、直接会うこともなく時間が過ぎていきました。半年に一度だけ会う事が叶いましたが、二人だけで話をする機会は殆どなくて、ただ、彼の顔を見る事ができるだけでも、嬉しかったのです。
2次会は、カフェでした。彼も2次会には参加していました。テーブルから彼とは離れたところに座っていたので、やはり話をすることは叶いませんでした。
そして、解散となり私は他の人と駅方向へ、彼はホテルの方へと行き、同窓生の〇ちゃんと一緒にそちらへ歩いていきました。
私と同窓生君が駅に向かって歩きながら話をしていると、彼の事を話してくれたのですが、彼が少しばかり気落ちしているという話を聞いたのでした。それがとても気になって、「ちょっと、話がしたいわ、電話してみようかな?」と言いましたら、同窓生君が、飲み直そうと言って電話をしてくれて、ホテルの方向へ行った彼と、一緒の方向へ行った彼女と4人で、飲み直す事になりました。
お店で私は、斜め前に座っている彼に、手を出して見て、と言いました。
テーブルの上に彼の両手が出されて、私はその手の上に自分の手を重ねて、「これはね、ヒーリングなのよ。エネルギーが行ったり来たりするの」と笑いながらいいました。
彼はとても嬉しそうでした。しばらくして、今度は、隣の彼女に「〇ちゃんもやってみて、」というと〇ちゃんも、彼の手の上に手を乗せて、笑いあっていました。
私は今度は向いの席の同窓生君の手の上に、私の手を重ねて、「ヒーリングだよ」といって、たわいのない、遊びをしたのでした。
また、「私はジェラシーとか、焼きもちって、どういう感情なのか知らないのよ。若い時に本を読んでいて、書かれている感情について職場の同期に尋ねたところ、みんなが教えてくれたから、だいたいはわかるのだけど。そういう気持ちになったことはないのよ。同期の人からは、私の感情はジェラシーではなくて、嫌悪感だって言われたわ。」という話をしたのでした。ところがまさかこの後、こんな事が起こるなんて、その時は考えもしませんでした。
そして、1時間ほどして、帰ることになり、3人は駅へ、彼はホテルの方へと歩いていきました。
私もついて行きたい気持ちでしたが、もちろん辞めました。
そして、家についてから、ベッドにはいると私は気になることを振り返って考えてしまったのです。
彼がホテルに行く時、〇ちゃんも一緒だったわ。ホテルのチェックインをしてから行くと言っていたけど、〇ちゃんもそのホテルに一緒に行っていたのかしら?
とにかく、何故だかわからない感情が湧き上がってきたのでした。それは妄想のようでしたが、私は次の日からその感情に悩ませられました。
まさかね。でもそうであっても、私には関係ないし、大人だもの、でも嫌だわ、本当はどうなの?
とグルグルと思考が回ってしまい、出口が見えてきませんでした。この悩ましい思考は何日か続きました。
そしてある日、アイロンがけをしながら、その事がまたグルグルと回り始めたときに、彼の声がしました。「もう、そんなこと考えないで、違うんだから」という声が聞こえたのです。
「私のこの感情って、なんだと思うの?」「ジェラシーだよ」「そうなの?」「それはジェラシーだよ。そんなことはないから、考えないで。」と彼はいいました。
「そうなの、私初めてジェラシーを感じたのよ。初めてなの。やっとジェラシーがわかったわ」
これは彼からのテレパシーだったのです。彼と私はテレパシーで短い会話ができたのです。
彼はその時の私の揺れる感情をキャッチしていたみたいです。
この彼の声で、一度で私のジェラシーは消え去ってしまいました。
それにしても不思議なことでした。生まれて初めてのジェラシーはこうして急に湧き上がって悩みましたが、無事に終わったのでした。
ジェラシーは胸が苦しくて悩ましいものですよね。(笑)